男の子の遊び 自叙伝~うちの猫⑪~
こんにちは、フラノスケです。
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私は、神社で出会った黒猫のジジに運命的なものを感じ、その日のうちに家族になることを決めた。当時つき合っていた彼(現在は夫)も、ジジと一緒にいたいと自宅に帰らなくなり、いきなり2人+1匹の共同生活が始まった。これは、ジジとの生活の中でたくさんの学びがあったことを書き綴った自叙伝風の物語。
では、うちの猫⑪です🐱
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「いくよージジ!」
低い体勢で目を丸くしているジジに、カラカラと音が鳴るネズミのおもちゃを見せる私。
「ぽーーーい」
と、言ったら合図。
リビングと寝室をつなぐ廊下にネズミを投げると、お尻をフリフリさせた後、カシュカシュカシュと滑る廊下に爪を立てて全力で走っていくジジ。
少し待つと、てってってっと軽快なリズムで尻尾をピンと立てたジジが、ネズミをくわえてご機嫌に帰ってきて、私の手のひらにネズミを落とす。
「かしこいね~😆」
ジジの顔がもみくちゃになるほど、私が撫でまわすと、早く投げてほしいんだけどと言わんばかりに遠い目をしている。
「犬みたいな遊び方してるね」
お風呂上がりで髪を乾かしながら見ていた彼が言う。
「かわいいでしょ~最近これが楽しいみたいで」
へぇ~とドライヤーのスイッチを切って、彼が落ちているネズミを拾う。
「いくよ、ジジ」
と、ジジにネズミを見せてポイっと廊下に投げた。
「。。。あれ?」
彼がジジを見る。
その場に居座り、なんですかという顔で彼を見つめるジジ。
「ネズミさん行ったよ、取っておいでジジ」
促す私。
それでも動かないジジ。
「もう私がもらっちゃうよ~」
なんだか気まずい空気になりそうな流れだったので、思わず私がネズミを取りに行った。
その後、何回か彼が投げてもジジは取りに行かず、私が投げると取りに行って、ちゃんと持って帰ってきた。
やはり気まずい空気になってしまった。
「なんだろうね、これは私との遊びとか決まってるのかな?😅
私もお風呂入ろ~っと」
彼が少し不機嫌になってきていたので、いたたまれずお風呂に逃げた。
湯船に浸かっている時、かすかに、ぽとん。とネズミが廊下に落ちる音と少しの間で彼が廊下を歩いている音が何度か聞こえた。
自分だけジジにかまってもらえなかったのが悔しかったんだなと、私はそんな彼をかわいらしく思いながら、湯船から出てシャワーのボタンを押した。
すべて洗い終わってシャワーを止めた時、ジジの走る音と、彼の爆笑する声が聞こえた。
盛り上がってるなぁ~、ジジとネズミで遊べるようになったのかなぁ~
微笑ましく思いながら身体を拭いて、私は浴室を出た。
「あれ?。。。あれあれ、持ってくる時に落としてきたかなぁ?」
見当たらないので、仕方なく私は脱衣所のドアからひょっこり顔だけ出して、彼に声をかけた。
「ねぇ、悪いんだけど私のパン。。。ツ、取ってき、て。。。」
私の前を廊下から来たジジが通った。
丸めた私の下着を口にくわえて。
「えぇ!?」
私の大きな声に、ジジがビクン!として、私の方に振り返る。
まだ私の下着を口にくわえて。
彼を見ると、しまったとやらかした子どものような顔をしていた。
「どういうこと!?」
私が声を荒げると、
「これ投げてみたら、取りに行ったんだよね。
そんでさ~パンツくわえているジジがシュールすぎて」
開き直っている彼。
なぜそれを投げようと思いついたのかとつっこんで聞きたかったが、
「もう!返して!」
ソーリー(sorry)と笑いながら、彼が私の下着を持ってきた。
広げてみるとジジの牙と爪であちこちに穴が開いていた。
それを見て私は発狂し、結局代わりの下着を取りに行った。
その隙をついたジジが、さっきまで遊んでいた下着をまた口にくわえて、軽快なリズムで彼にお届けした。
「あはははは!見てよこの顔!お腹いた~~い!」
まったく反省する様子がない彼とジジ。
楽しいことに夢中で周りや後先が考えられなくなる男の子の遊びだなと、この時だけは冷めた目で彼らを見てしまった私なのでした。
→ 次回へ続く